第二章

2/10
前へ
/46ページ
次へ
森の中を進む一団。 馬に跨り進むその一団は数百人程で構成されている。 甲冑を身に纏い、腰には装飾がされた美しい剣が携えられている。 その一団の先頭で率いているのは、他の者よりも豪勢な甲冑を纏っている男。 そこに一人の青年が近づいて来た。 「吏粛(リシュク)様。そろそろ山賊共のアジトかと…」 「うむ。奇襲には気を付けこのまま進軍せよ」 「はっ!」 一団は緊迫感を持ちながらも粛々と進軍する。 「報告!吏粛様、この先に山賊の姿を発見しました!しかし…」 言い淀む部下に違和感を感じた吏粛は目を細める。 「どうした…?」 「はっ!それが…山賊はすでに何者かに討ち取られた様子。数十の部下と共に山賊の頭の亡骸を確認しました」 「なんだと…?討ち取ったのは何者だ?」 「分かりません。既に周りには人はなく、こんな森ですので見たものもいないようです」 吏粛は少し考え込むが、直ぐに案内する様に命令し、山賊の亡骸の下へと向かった。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加