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「大丈夫だ。それにアリスのせいじゃないし、俺も気にしてないから気にするな」
どうせ俺の右眼のことだろ。
あれ以来、アリスは自分のせいと気にしてか態度がよそよそしかったからすぐわかる。
俺としたら代償に使うものができたから有難かったけどね。
健常なままだったら片目を代償に使うなんて考えても踏ん切りがつかなかっただろう。
「夏樹がああ言ってるってことは本当に気にしてないから諦めるしかないよ。夏樹は自分の中で勝手に終わらしちゃうから」
まるで、やれやれと言いたげな表情で見てくる。
「なら仕方ないですね。もう気にしません」
私も用意してくるんで城の前で集合しましょう。と言って部屋から出て行った。
「アリスに外行くって言って無かったのかよ…」
「気にしてたみたいだからね。夏樹のいないところで言っても反対されそうだったから」
「面倒事を俺に押し付けるなよ…」
俺だってわざわざシリアスな雰囲気を持ち込まれるのは面倒だし極力やめて欲しいんだよ。
「あとさ…夏樹結構無理してるでしょ?」
「いきなり何言ってんだ?」
「夏樹らしくないもん。わざわざ面倒な役割を引き受けてるでしょ?僕なら大丈夫だから力抜きなよ」
意外と連夜も人の事しっかり見てんだな。
「夏樹の事を一番見てきたのは多分僕だよ。僕が夏樹の変化に気づかないわけないじゃない」
そうだよな。俺が連夜のことを良く分かるように、連夜も俺のことを良く分かる。
簡単なことじゃないか。
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