やっぱり最初は魔法陣

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「夏樹!起きて!」 体を揺すられて、さらには耳元で叫ばれたら誰でも起きるだろう。 …そして、そんな起こされ方をされれば機嫌が悪くなるのは当たり前のこと…だと思うから、機嫌をなおすために元凶をぶん殴る。 「あっ、起きtグハッ!!」 鳩尾に綺麗に入った左フック。 悶えるイケメン。 涙目になったせいで周りの女子がキャーキャー言ってるのがムカつく。 「なんだ。連夜か」 自称俺の親友である神谷連夜。 俺の前の席の奴で、イケメンで頭も良く、運動すら難なくこなす完璧超人だ。 ただし、こいつが好きになった女子と付き合えたことはない。 「イタタ…絶対わかってて殴ったでしょ。夏樹が僕以外に容赦無く殴ることなんてないから」 無駄に頑丈だからな、お前。 今だって鳩尾に入ったのに、10秒くらいで復活したし。 「それで何の用だ?」 「いや、一緒に帰ろうと思って」 爽やかな笑顔で言われても、吐き気がするだけだからやめてくれ。 「確か今日は女の子に呼び出されてたんじゃなかったか?」 「えっ?あっ…行ってくるから待ってて」 絶対忘れてたな… 「あとでジュースな」 了解と告げて連夜は走って教室を出て行った。
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