やっぱり最初は魔法陣

4/7
前へ
/422ページ
次へ
今日は嫌な予感がする。 またいつものように、何か巻き込まれるんだろうな。 そろそろ異世界とかに召喚されそうだ。 ちょっとフラグを立ててみた。 そろそろこの世界にも飽きてきたからな。 不自由ない暮らしをするのは簡単だが、それじゃあつまらないし。 タタタっと廊下を走る音が響く。 連夜が出て行ったからって、一気に静かになりすぎだろ… さっきまで教室にいた女子も半分以上帰ったし。 「あっ、桐島君。連夜知らない?」 ガラガラと音を立て教室に入ってきたのは女の子。ダークブラウンの髪にこちらも茶色がかった瞳。 学年でもBest3に入ると言われている女の子で、連夜の彼女候補No.1(俺が勝手に決めた)の柊亜紀。 「連夜なら、たぶんまた告白されてるよ。さっき行ったから…あと5分くらいすれば戻ってくると思う」 柊さんとは俺もそこそこ仲がいい。 というか、俺と仲が悪い奴はこの学校にはほとんどいない。 俺のモットーは、使えるものはなんでも使え。だから、仲が悪い奴を作るのは勿体無い。 「急ぎの用事があるから、これ渡しといてくれない?」 差し出されたのは紙袋。これくらいなら邪魔にもならないしいいだろ。 「いいよ。なにか壊れる物とか入ってる?」 「CDくらいかな」 「了解。じゃあ、またね」 笑顔で手を振って教室から出て行く柊さん。 また暇になったし、片手間でできるようなゲームでもしとくか。 ポケットからスマホを取り出していじる。 ガラケーならいじるときの音はカチカチとかピッピッとかだけど、スマホならなんて表すんだろ?しゅっしゅっとかサッサとかはなんか違う気がするし。 それとスマホって片手でいじるには大きいんだよな…不安定になって落とすのは嫌だし、かといって両手が埋まるのも嫌だし。
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6569人が本棚に入れています
本棚に追加