やっぱり最初は魔法陣

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「お待たせ。ジュースはいつもの所のでいい?」 少し走ってきたからか、連夜は服をぱたぱたとさせる。女の子がそれやるならテンション上がるけど、男のはいらないわ… それするほど汗なんてかいてないだろ。 「ああ、それでいい。さっさと帰るか」 別に運動したわけでも、勉強を頑張ったわけでもないが、学校に通うだけで疲れる。 家に帰ったら、やらないといけないことだけ終わらせて寝よ。 「今日も一年生か?」 聞かなくても大体わかるが、毎度のことなのでとりあえず聞く。 告白してくるような二、三年の女子は大抵告白して振られたか、ある程度仲が良いから告白せずに近くにいようとしているからな。 「そうだったよ。初めて話すような人に告白されてもね…」 王道主人公のように鈍感じゃないのはプラス点だが、これもこれで毎回言われるとムカつく。 「まあ、振られて終わりな相手なら気にすることはないさ。お前のことを本気で好きなら、そこからも諦めずに近づいてくるだろうから」 振ると言っても連夜は優しく振ろうとするから、本気で好きな奴はそこにつけ込んで友達からとか言うからな。 それすらしない奴は、その場で泣いて諦めるか、カッコいいからとりあえずみたいな奴らだろうし。
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