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「ね、ねえ…夏樹」
少し空を見上げて考えていたら、連夜が焦ったように腕を掴んできた。
「…なんだよ?(気持ち悪いな)」
「それってあれだよね!?」
それ。とか、あれ。とか、何言ってんのかわからないんだけど。日本人の悪いところだぞ。
伝わってないのがわかったのか、連夜は必死に地面を指差す。
「は?…そうだな。あれだな、あれ」
何故か、俺の足下に広がる魔法陣。
どういうことだよ…連夜の足下に広がれよ。それで、俺が巻き込まれるってパターンだろうが。
掴んでいた腕を離して離れようとする連夜を逆に掴んで引き寄せる。
「とりあえず、落ち着け。そして、諦めろ」
「いやいや!?普通おかしいからね!なんでそんなに落ち着いて巻き込もうとしてるの!?」
「なんでって、本当ならお前が呼ばれるのが正しいパターンだからだろうが」
「正しいパターンとかいらないから!夏樹の方が上手くやれそうだから頑張ってよ!」
ついに光出した俺の足元に広がる魔法陣に、さらに焦って腕を振り解こうとする。
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