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「限度?」
「そう限度さ、傲慢の代名詞がつくこの僕でさえ、ある程度限界や限度、不可能なことを理解してる」
僕が馬鹿にしたように言うと、彼女はまた顔をしかめる
彼女は冷静に取り繕っているが、嫌悪感を隠せていない
思ったより人間味溢れる子だ、悪くないな
こっちにいれる間は飽きそうにないな
良いご主人様に巡り会えたもんだ
「私が限度を知らないと?」
「そうだね、君には僕の鎖を砕くことはおろか、絡み付いた鎖をほどくことすら躊躇してる、君ができるのは精々、僕を地獄から一時的に呼び出す程度だよ……」
「言ってくれるわね……」
「ああ、ごめん、怒らせたかったわけじゃないんだ、ただ事実を言っただけ」
彼女はふいにニヤリとする
何を企んでいる?
「いいわ、出してあげるわ、その地獄の底から」
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