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朝食は、毎朝欠かさない牛乳と、パンにマーガリンをたっぷりぬって食べるのが日課だ。パンをトースターにセットした後、俺は聞いた。
「で、俺になんのようだ?」
凛が俺を起こすということは、天地がひっくり返ってもしない。そんな面倒なことをするはずがない。それほど面倒くさがり屋なのだ。何か企んでいるに違いない。俺はそう確信していた。
「べ、別に用事なんてないし。ちょっとお願いがあるだけだし」
用事あるんじゃねぇか......。
「お願いって?」
俺はすかさず聞いた。
「ゲームをやって欲しいの。私の招待コードを使って。勿論、お兄ちゃんにかって得することは沢山あるよ?だからお願い!」
俺にかって、夏休みの用事がある。朝から本を読んで、本を読んで、本を読むという用事が......
「友達にやってもらえばいいじゃないか。それに、俺はゲーム機なんて一切持ってないぞ?」
コレは事実である。俺は一切ゲーム機をもっていない。なんせゲーム機なんてなくても、本は読めるからだ。
「友達はほとんど招待した。でも、30人目の招待者がまだで、30人目の招待特典がめちゃめちゃ欲しいやつなの!ゲーム機なら私のお古があるから大丈夫!お父さんに新しいの買ってもらっちゃったし!ねぇお願い!」
あの親バカ親父めっ!俺は妹に対する親父のデレ顔を思い出した。あの親父は妹には甘々だからな......。俺もあれぐらい愛情を注いで欲しいといつも思う......。
例えば、こんなことがあった。
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