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「奈緒さんは何を召喚するんですか?」
「え?ぼくの使い魔は自己紹介の時に見せたでしょ?」
そうでした…って、じゃあ、あなたはなんで質問したんですか。
「…ぼーっとしてて聞いてなかったんです。」
「なーんだ、そっか。」
「すいません。」
なんで嘘ついたんでしょう、ボク。
「じゃあ、見せてあげるね。ぼくの使い魔。」
そう言うと、奈緒さんは目を閉じて黙りました。
集中しているのでしょう。
「あ!」
突然、奈緒さんが目を開けて大きな声を出しました。
周りからの視線が痛い…。
「どうしたんですか?」
「魔方陣描くの忘れてた。」
「ああ、そうですか…」
たまにありますけどね。
「じゃ、改めて…」
再び奈緒さんは集中を始めたようです。
「……」
奈緒さんはカッと目を開きました。
「我と契約せし者、我が呼び掛けに答えよ!」
出てきたのは、二足で立つ白いタキシードを着た猫でした。
「…あなたは轢かれそうな猫でも助けたんですか?」
「んにゃ?何の話?」
「いえ、なんでもないです。」
大丈夫なんですか?これ。
非常にまずい気がするのですが…。
「これがぼくの使い魔だよ、バーちゃんって言うんだ。」
バーちゃんって…。
『わたしは婆ちゃんではありませんよ。』
「えー?いいじゃん、バーちゃん。ダメ?」
『なるべく控えて頂きたい。』
「やだ。」
即答ですか。使い魔も苦労してるんですね。
っていうか、会話が微妙に噛み合ってませんね。
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