891人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ
「あのぉ…あそこで、翼竜に潰されているのって…」
俺がおずおずと月詠に聞いてみると、
「ああ、あれがアルカディアの世界神だ。嘆かわしいことにな…でだ、先ほどのあの莫迦の発言で大体の事情が分かったが、簡単にでいいからこうした理由を教えろ」
「yes,sir」
無駄に発音をよくしたのは置いておくが、
月詠にここまでの顛末を説明した。
すると、月詠は…
「はあ…少し待って置け」
顔から全ての感情が抜けた能面のような表情になり、アルカディアの世界神のもとに歩いて行った。
「はははっははいぃぃぃぃ」
能面で背後から黒いオーラのようなものを出さないでもらいたい…
めちゃ怖いから…
「おい…この莫迦、世界神の自覚があるのか?」
ここまでの月詠の声色は平坦で感情が含まれていない…それが逆に恐怖を煽る…
「月詠さま…こえぇ…絶対に怒らせないようにしないと…」
『キャウ…』
俺の独り言に同意するように何かの鳴き声が聞こえた。
「ん?」
最初のコメントを投稿しよう!