再びアルカディアへ

3/14
前へ
/158ページ
次へ
光が収まると、俺の手が白い鱗に覆われ爪が太く鋭利なものに変化していた。 それに加え、背中に違和感を覚え背中を見てみると、そこには蝙蝠のような翼があった。 「なんぞこれ?」 落下中であるにも関わらず、疑問で頭が埋め尽くされる。 『キャウ!!』 そこに白がこっちを向けとでも言うように鳴いたので白を見ると、俺の背中の翼を指さし、自身の翼をパタパタとはためかす。 「!!そうか、この翼で空を飛べるんだな?」 『キャウ!!』 白は、そうだとでも言うように頷き、先に風を翼で捉え落下を止めた。 俺は白の真似をするように翼に力を込め羽ばたかせた。 それにより落下速度は急速に緩まり、最終的には滞空することになった。 「おおっ、空を飛べてる…すげぇ」 ちなみに、俺の周りを白が楽しそうに飛び回っている。 まあ、このままこの場で留まっていてもしょうがないので、下に降りることにした。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

892人が本棚に入れています
本棚に追加