3人が本棚に入れています
本棚に追加
────×××
文化祭当日。
彼女との約束通り、僕達は2人で文化祭を見て回る。
しかし、周りの浮かれた雰囲気とは裏腹に僕の心は言いようのないモヤモヤで染められていた。
「どうかしたの?」
隣りにいる彼女は僕の様子に気付き少しだけ心配そうな表情を浮かべている。
「何でもない。ちょっと考え事してただけ」
「そう、ならいいけど」
……冷たい。分かってたけど、冷たい。
「早く行きましょう」
そう言って、彼女はさり気なく僕の服の裾を引っ張る。
…はい。さっきは冷たいなんて言ってごめんなさい。と心の中で誤っておく。
そして、彼女と僕は本来の目的を達成するため、賑わう文化祭の中へと歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!