ヒーローの宿命

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「レインボースプラッシュ頭突き!」 「グハァァ~!ち、ちくしょう!覚えていろ!レインボーマン!この敵は必ずブラックマント様がとってくれからなぁぁぁ!」 ドォォォォン!!! 「これで今日も世界が救われた!さらばだ!地球の諸君!」 「ありがとう!レインボマーン!」 俺は窓に映る高層ビルを見ながら、苦めのコーヒーを飲んでいた。 いつからだろう、悪者を倒した後にコーヒーを飲む癖がついたのは・・・。 正義のヒーローになってから、幾度となく訪れる壮絶な戦い。 世界の平和を守るため、日夜戦い続けているが、これはいつまで続くのだろう。 「どうしたの?あなた」 「あぁまた考えていたんだ、俺の宿命に・・・。」 別に金儲けでもない。国から一生暮らせる援助金は出ているが、俺だって普通の仕事がしたい。だがいつ現れるかわからない悪者がいる限りそれも無理だ。 「あなたのやってる事は立派よ!だって世界の平和を守っているもの」 妻が俺の髪を掻き上げながら言う。 「あなたのお父様だって、ずっと立派に戦ってたじゃない」 「あぁ・・・」 棚の上にある父の写真。 俺の父親もヒーローだった。あの時はダークマントと戦っていた。しかし、ダークマントと最後の戦いに勝利した後、父は蒸発した。俺にヒーローの力と宿命を託して・・・。 「ねぇねぇパパ!僕もヒーローになれるかなぁ?」 小学生になったばかりの息子が聞いてくる。 俺は息子を抱え上げ、 「ん~どうだろう?パパが全部悪者倒しちゃうからなれないかも!」 「せこいよ~!パパばっか!」 俺も幼かった頃は、こうやって父に言ってたな。 勇敢に悪者に立ち向かっていた父、その光景は今でも忘れてはいない。だが、なぜ父はいなくなったのだろう・・・。ひと時の平穏を手に入れた筈なのに・・・
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