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少し肌寒くなってきたそんな頃。
放課後の教室で不意に彼が言った。
「紅葉狩りなんかはどうだろうな」
お金のかかる遊びは、おれら高校生で中々出来ないから。
でも、どこか遠くへ出掛けてみたいと言ったおれへの答えに慶次郎はそう呟いた。
うんうん。と、言って1人で納得している様がなんだが可愛らしくておれも微笑んで、いいね、って。
言ったら、ほら。
慶次郎も笑顔になって、だよなぁ!って。
それから、2人で日帰りの紅葉狩りの予定を考えて、あーでもないこーでもないって色んな話をした。
もう少し、寒くなって、山の色合いが見頃になったら。1番綺麗な紅葉を見に行こう。
まだ、行ってもいないのに、その日は小旅行に行った後のような満足感で帰宅した。
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