紅葉狩り

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11月に入る前からだいぶ空気も冷たくなって、携帯でチェックする紅葉情報のサイトも活気付いている。 そろそろかなぁ、なんて思っていると、おれの脳内を見透かしたかのように慶次郎から「そろそろ予定固めよっか」なんて。 同じ事を考えている事が嬉しくて、くすくす笑うおれに不思議そうな顔をしていたけれど、すぐに優しい顔になって頭を撫でられた。 慶次郎の手のひらは大きくて、少し冷たいけどあたたかいからだいすき。 「何、なんで笑ってんの?」 「別に。なんでもないよ?」 「あ、俺、"別に"とかそういうのは無しだと思うんだけど!」 「んー?じゃあ、けーじろも、おれも一緒だなぁ、って思った。から?」 「うん?疑問形なんだ?」 並んで歩きながら、慶次郎は楽しそうに笑いながらおれの顔を覗き込んだ。 おれはそれを少し照れ臭く感じながらまぁね、って素っ気なく言ってしまったのだけれど、慶次郎はニヤニヤしてたから、多分、照れ隠しって気付いてる。 まだ、目を合わせて話すと少し照れ臭い。他に、誰もいなければ慶次郎だけ見てても平気なんだけど、なぁ。 じゃあな、って手を振る慶次郎におれも手を振りかえしてお互いの帰路についた。 予定は、紅葉情報のサイトを信じて来週の週末に落ち着くことになった。 楽しみで、授業に集中出来なかったらどうしようかな。 そんな事を思うことさえ楽しくて、いつも通りの歩調で歩いているのに、スキップをしているようなそんな気分だった。 .
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