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となることはなかった。
俺に見つかったのは残念だったな。設置されたゴミ箱にカードを捨てようとすると黒髪の女性が走ってきた。
「ちょっと待ったぁ!!」
高めの声に高めの身長、スラリとしたスタイルの女性が声を張り上げてやって来た。
「これを作るのケッコー大変なのよー!捨てるなんて酷いじゃない!」
リボンが緑だったので一つ上の先輩だとわかった。
「なんでそんな大変なものを手すりに張り付けてあるんスか…」
すると黒髪の女性は目を輝かせて
「聞きたい?聞きたい!?」
「いえ、結構です。」
即答すると大抵の場合はワンテンポ遅れるものである。その瞬間に教室に向かってしまおう。しかし教室に向かおうとしたが予想外なことに、
「どうして?」
即答された。
「……いえ、理由は何となく分かったので。」
俺がワンテンポ遅れてしまうとは。
予鈴のチャイムが聞こえる。
マズイ。このままだと俺は初日から遅刻してしまい、いきなり先生に目をつけられるだろう。
「では、俺はこれで。」
笑顔で挨拶をし、教室に向かうことにした。
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