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朝になっておとうさんに話すと、怒られた。
でもぼくが見たことをきくと、おとうさんは笑った。
そんなものはいないよ。おばあちゃんは遠くへお出かけしているだけなんだ。
ぼくはだまって朝ごはんを食べて、でも、もやもやがずっとあった。
ちがうんだ。
ちがうんだよ、おとうさん。
だってあのとき、外に出てきたぼくを見て、
空いっぱいにあるあれの眼が、
いっせいに笑ったのを、ぼくはたしかに見たんだ。
―了―
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