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しかし、いくら掘り進めても、それに見合うだけの成果は出なかった。いくら掘っても、出てくるのは土と岩ばかり。休火山なので爆薬を使って探すこともままならない。
どうやら、先に誰かに宝をとられてしまったらしい。
残念であるが、気分を変えよう。地図を見る限り、ここ以外の宝も書かれてた。まだまだ、チャンスはいくらだってある。
私は宇宙船に戻って、他の箇所も探すことにした。鬱蒼と茂ったジャングルから谷底まで。いくつかの廃墟は見つけるに至ったが、肝心の宝は見つからなかった。宝石も金銀も金目のモノは一切無い。
この星に、どれだけ滞在しただろうか。この星の時間で半月か。毎日のように宝探しに明け暮れたが、宝のたの字も見つからなかった。
「どうやら、今回はハズレだったらしいな」
長くトレジャーハンターをやっていると、たまにこんなこともある。おそらく、先に宝が盗まれたか、初めからウソの情報を掴まされたかのどちらかだろう。どうせなら、前者の方がいい。後者では骨折り損のくたびれもうけだ。
私は大した成果も得られぬまま、宇宙船へと戻り宇宙へと出ていった。次なる宝を求めて。
「それにしても、見たかったな。あの星の宝」
どんな宝だったのか、それだけが心残りだった。
私は、最後の別れにと、十個の目玉を『世界遺産』が眠ると謂われた太陽系第三惑星、地球をチラリと見つめた。
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