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私は自分でいうのもなんだが、有名なトレジャーハンターである。トレジャーハンターとは、宝を求め危険な場所へと赴き、宝を探し出す人々のことだ。
そして、時代は宇宙へとくりだす。今や、宝を求めるのは自分の星だけではすまない。更なる宝を求めて、私はより危険が溢れる宇宙へと飛び出した。
これまでも、私は幾多の苦難を経験してきた。ある時は、陸地など殆どないような溶岩地帯の星で火傷を負いながらも宝を探し、怪物が蠢く星での死闘。時には愛があり、興奮があり、苦難があり、実に充実した冒険を続けることができた。
今、私はある星を目指していた。目的はその星に眠る宝だ。
私が、その宝の情報を知り得たのは、実に偶然だった。廃墟だけが残された星で見つけたコンピューター。そこから、目指すべき星の情報を得た。私の故郷でも知り得なかった場所にある星だ。どんな危険が潜んでいるのか、どんな生命体がいるのか、全く不明な星だ。
当然、周りの者は私を止めようとした。
「記録にないような星に行く必要はない」
「危険を冒してまで、宝がほしいのか」
「命あってのもとだねだろう」
毎回、私が新しい宝探しに行く度に聞かされる言葉だ。心配してくれているのは分かるが、もうその言葉は聞き飽きた。
「止めないでくれ!宝が私を呼んでいるんだ!」
私を止めようとしてくれている親や友人達を振り切って、宇宙へと飛び出した。
それから、どれほどの時間が経っただろうか。故郷の資料館にもないような星だ。いつになったら着けるのか、想像もできない。それでも、廃墟となった星に、宝の情報を残せる種族だ。宝の名前からしても、凄いモノであることは分かる。きっと、私がこれまで手にしてきた宝。どれよりも素晴らしいのだろう。
何度かワープを繰り返して、十回目終えた頃、宇宙船のコンピューターが反応した。モニターで確認すると、目的となる星が見えてきた。
「綺麗な星だ」
私の住む星とは違うがモニターには美しい星が映し出されていた。
星には水も空気もあり、生命が存在できる星のようだ。大気中に有害な病原菌はいないようだが、念のためだ防護服を着て降りてみよう。
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