kiss 2 ふたりきりの夜

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そして画面とにらめっこ。 エクセル係数を打ち込む間、 持ち前の集中力発揮。 一つのことしか私、出来ない達なんで。 「……」 「......とう」 「佐藤!!」 ハ......!!やばい。 数字の波に飲まれてた。 「内線。鳴ってる」 って、気づいたんだったら、 出てくださいよ。 手伝って貰っている身分であるため、 作業を中断し、渋々電話に出る。 「はい、第二営業部。佐藤でございます」 「四方山君居る?」 「四方山部長ですか? 少々お待ちください」 「部長って帰った?」 画面に釘付けの小栗に、振り返った。 「居る訳ないじゃん。 今、何時だと思ってんだよ」 へ? 小栗に言われ、壁時計を見やる。 げ.......今日が終わってます。 そして内線。 「部長は、もう帰宅致しまして.....」 そりゃそうだ。 というより、 一体どこの部署から、 こんな嫌がらせのような電話廻してきたのよ。 電話の内線番号表示を眺めたが、 00~10までの枠の中の グリーンのランプが光るだけで 液晶の嵌め込まれた電子パネルには、 番号が表示されていなかった。 というか、 まだ社内で仕事してる人って、居たんだ。 「そう、悪いんだけど 早朝の便でシカゴに飛ぶように、 四方山君と、連絡って取れないかな?」 何…… 言ってるんだろ....この人。 「ですが…… この時間ですし、 部長に連絡というのはちょっと.....」 「自宅に電話掛けるなり、 なんなりして、 捕まえればいいだろう?」 そんな簡単に言う? 深夜に上司に電話かけて、 後であーだこうだ文句言われる こっちの身にもなれ!! しかも鬼の四方山部長 文句どころか、命が危険だっつうの!!
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