kiss 2 ふたりきりの夜

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はあ..... こっちは今日中に 終わらせなくちゃならない仕事で、 テンパッテルっていうのに....。 ムカムカしっぱなしの感情を、 そのままこの失礼極まりない 自己中な電話の主に、 八つ当たりしたくなってしまった。 何故か、 電話越しの人間には強気になる、 チキン野郎の私。 「あの.....失礼ですが。 いくらなんでも 今日の飛行機に朝一番で乗れというのは、 無理な話ではないでしょうか? そもそも、 どちらの部署の方でしょうか? お名前も伺ってもいないのに、 そのようなご依頼を 引き受けるわけにはいかないです」 無言になる相手。 やっぱり、いたずら?? いい加減にしてよ。もう! だが、 返ってきた答えは、意外なものだった。 「00押して、掛け直して」 「00........」 ということは.........社長様?? 「あの!」 既に通話は終っていて、 甲高い電子音だけが 受話器の奥から漏れていた。 やっば.......い。 気づかなかった。 名乗ってなかったけど。 内線番号、00は社長室。 「人生終わった........」orz.... 隣でキーボードを打ち続けている 彼が、追い討ちをかける。 「誰から?」 「社長様」 一瞬、フリーズ。 それから再度、 私を睨むように見やり、 「........は?」 と口をあんぐり開けて呟いた。 其の反応、私も同じく、 「は?」 ............です。 .
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