kiss 2 ふたりきりの夜

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そうよ、 小栗じゃない。 今ここにいるのが別の誰かでも、 変な事想像したりするわけで、 そもそも、 彼との妄想なんて、 キスぐらいが関の山。 男として、 恋愛対象として、 彼を見ているわけじゃない。 でも.............。 こういうのイヤじゃない。 寄りかかられた場所から、 彼の熱が伝わってくる。 それが何だか、心地良いと感じる。 だから......、 キスするんだ。 気持ち良い瞬間を切り取りたい。 ほんのちょっとだけ 女に戻った気分を味わいたい。 ほんの一口だけの幸せでいい。 それが 今の私には丁度良い。 でも Hは想像出来ない。 ありえない。 彼に、 あんな失態見せらんない。 格好悪い格好を曝す私も、 快感に酔いしれる私も、 小栗が好きだって言う私も .........全然想像出来ない。 ううん。 絶対見せたくない。 小栗は .........どうなんだろう? 私のこと、 どう思ってるんだろう。 友達。 同僚。 仕事仲間ってやつで........ やっぱり、 私と同じ.......なの? 私の考えを見透かしたように、 彼は、ついと、 顔を持ち上げて、私の唇に触れた。 触れ合った場所が、 ほんの少しだけ熱を帯びる。 そしてまた、熱は引いていった。 「おやすみ」 そう呟き、小栗は、また瞼を閉じた。 .
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