kiss 2 ふたりきりの夜

3/27
2039人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「ごめんねぇ。 月末で忙しいのは重々承知なんだけど、 なかなか雑用にまで手が回らなくてさ、 今月も頼んでもいいかな? 経費精算」 馬鹿デカイクリップに挟まれた 紙の束を私の机に置き、 平謝りをするのは、 第二営業部の宴会部長である、 万年ヒラ社員の佐々木さんだ。 本当に毎回毎回。 何ですか、この山は。 「いいえ。 これぐらい、すぐに終わりますから」 お決まりの営業スマイルで、明るく答える私。 「いい? 頼んじゃってごめんね。 この後に富士物流のお偉いさんと接待なんで あぁ。 其の分は、来月の経費にしておくから」 当たり前だ。 お前が飲んで騒いだ後まで 待ってられるかっつうの!! 「お気遣い頂き、有り難う御座います」 「いつも助かるよ~。 佐藤さんみたいな、仕事が速くて 可愛い子がうちの部署に来てくれて 本当に助かった。 君は、女子の鏡だね!!」 .
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!