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「ごめんねぇ。
月末で忙しいのは重々承知なんだけど、
なかなか雑用にまで手が回らなくてさ、
今月も頼んでもいいかな?
経費精算」
馬鹿デカイクリップに挟まれた
紙の束を私の机に置き、
平謝りをするのは、
第二営業部の宴会部長である、
万年ヒラ社員の佐々木さんだ。
本当に毎回毎回。
何ですか、この山は。
「いいえ。
これぐらい、すぐに終わりますから」
お決まりの営業スマイルで、明るく答える私。
「いい?
頼んじゃってごめんね。
この後に富士物流のお偉いさんと接待なんで
あぁ。
其の分は、来月の経費にしておくから」
当たり前だ。
お前が飲んで騒いだ後まで
待ってられるかっつうの!!
「お気遣い頂き、有り難う御座います」
「いつも助かるよ~。
佐藤さんみたいな、仕事が速くて
可愛い子がうちの部署に来てくれて
本当に助かった。
君は、女子の鏡だね!!」
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