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☆ ☆ ☆
そして、女子戦略会議室(化粧室)にて。
「いいよねーーー。永澤さん」
はあーと、
乙女の溜め息をついたのはモリリン。
頬を上気させて、
鏡に映る自分の姿を、うっとりと眺めている。
うそ.....
モリリンも、永澤さん??
「永澤?ああ、気が利くもんね。
会社でも働き者で人当たりいいし、
皆にも人気あるよ」
レーナが永澤氏の株を上げる。
「だよねぇー、そんな感じするもん。
さっきもさぁ、
酔い過ぎちゃった私に、
ソフトドリンクを
さりげなく頼んでくれてて。
『ちょっと休憩挟んだほうが良いよ。
僕らピッチ速いから、
合わせると倒れちゃうよ』なんて~~。
そういうさりげない優しさ。
いいよね~~♪」
モリリンが、照れまくりながら
永澤さんとのやり取りを披露する。
モリリンにそんなことしてくれたんだ。
私も酔った振りすればよかった.....。
レーナが、赤いグロスを塗りつけ
唇の出来栄えをチェックをしながら、
さらに追い込んだ。
「まあね。
それが取り柄だからね。
永澤、彼女居ないし、
モリリンいっちゃえば?」
ええ!!
モリリン、永澤さんにいっちゃうの??
「日皇証券のエリートサラリーマンだし、
将来安定株じゃない。
いいよ。頑張りなよ。モリリン」
結婚目線で
オトコをチェックしているなっちゃんが、
拍車をかける。
永澤さんと、モリリンが??
結婚??
「頑張ってみようかな....」
友人の後押しに、
モリリンが覚悟を決める。
なっちゃんがモリリンに抱きつき
「そうしな! うん! モリリン! ファイト!」
と、さらにやる気に拍車をかける。
そして私をみつめるモリリン。
「舞は、どう思う?」
.....どうしよう。
応援...しなきゃ駄目だよね。
友達の幸せを祈らなくちゃ。
「もちろん!
モリリンのこと応援するよ!
あ。そうだ、
この後二人きりにして
あげるっていうのは?」
「そうだね、レーナ!
男子二人に言って、
こっそり出て来てもらおうよ」
「OK.
じゃあ二人にメールして外に呼び出すわ」
携帯を早速開き、行動に移すレーナ。
そんな提案までしちゃって。
あーーもう!
私は、何をやっているんだ!!!
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