kiss 4 [ 恋と、友情と、]

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kiss 4 [恋と、友情と、]   「ええ~皆様ぁ。 おはよぉ~ございますぅ。 本日の朝礼はぁ、 不在の四方山部長に代わりぃ、 課長の辻田が一言ぉ......」 背後でアクビを 炸裂しそうになった小栗に向け、 肘撃ちを仕掛けた。 途端に、空気を飲み込んだ彼の前で、 素知らぬ顔をして 課長のありがたーーい 今日の一言に耳を傾けていた。 四方山部長のワンポイント的な 活力みなぎる、お言葉とは程遠く。 眠気を誘う ワンテンポ調に瞼が重く圧し掛かる。 あ~~。寝る.... 既に....寝....... ギャ!! 突然、膝裏に足を入れられ、 ガクッと膝を折り、 よろめいた勢いで隣に並んでいた 新人男子の大野君に しがみついてしまった。 「ご、ごめんなさい」 かなりビックリした顔をされ、 苦笑いを浮かべる大野君。 「いえ、気にしないでください」 ヤバ。  後輩に気を使われてる。 そして仕掛けたのは、 背後で、辻田課長の熱弁に 賛同し頷くフリをする小栗優斗。 ほんっと、朝っぱらから、 むかつくんですけど。 ⭐︎  ⭐︎  ⭐︎ そして定時。 既に赤札ついて、小栗は退社。 消えていない社内のホワイトボードには、 「アールシー・ジャパン本社→直帰」の文字。 ということは、 先方の会社に乗り込んだ後、 そのまま四方山部長と、夜の接待へと向かったわけだ。 まあ、 いつものことである。 パソコンの電源を落とし、 ちらほら残る営業部の新鋭たちにご挨拶。 「お先に失礼致しま~す」 「舞ちゃん、おつかれ~~」 「おつーー」 「お疲れ様です!!」 席から立ち上がり、深々とお辞儀をしたのは大野君。 君は、真面目で大変よろしい! そして、あと数年もしたら小栗と同じように 営業マン特有の 多重人格の皮肉屋へと、変化するのだろう。 ああ、そのまま純なままでいて欲しい........ そんな願望を抱きつつ、私は、女子会へと向かう。 社内の広々とした化粧室で、 夜メイクに替えて、 ほんの少しだけ香水をプラスする。 女子会なのだが、 本日はゲストが来るらしい。 いつも以上に、 グロスをたっぷりつけるのも、 マスカラを、丁寧に塗るのも、 ちょっと浮き足立っているからだ。 ゲストとは、すなわち男子!! どんな男子がやってくるのだろう........ ああ楽しみ!! .
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