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視線を上げて
店員の顔を眺めた。
あ。
店員がビニール袋を持ち
私が受け取るのを
今か今かと待っていた。
大きな瞳が私を捕らえる。
日に焼けた肌、
太くて黒々とした眉、
大きな鷲鼻。
あの夜には暗がりで見えなかった
細部までもが、
明るい店内の中で、
ようやくはっきりと判った。
熱帯夜に、
私を見上げて
睨みつけていた男がそこに居た。
震える手で
オトコの差し出した袋を引っつかみ
コンビニを出た。
どうすればいい?
なにをするんだっけ?
パニックに陥り、
次に起こすべき
アクションまでに
時間だけが経って行く。
とりあえず家に帰ろう。
いや、
そのまえに四谷署に行くべき?
....空き巣犯を見ましたって、
.
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