kiss 8 [プレミアムな彼]

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☆☆☆ 料理するのも、面倒なので、 コンビニへ立ち寄って 夕飯を、ゲットすることにした。 ついでに、雑誌もチェック。 可愛いポーチが欲しい.......と、 おまけのクオリティと プレミア度を充分吟味したあと、 一冊のファッション雑誌をカゴに放り込んだ。 そのあとは、なんとも侘しく 孤独な夕食を選び始める。 季節はずれのおでんを食べたいとか、 肉まんが食べたいとか、 コンビニに来る度に思うが、 冬の間は 完全にスルーしていることに気づく。 そういえば、 簡単に手に入らないもの程、欲しかったりする。 つまりは、 小栗も プレミアが付いたことによって、 ちょっと意識しただけなのかも。 万年平社員の妻か、 重役婦人か、 そこは選んだ男次第ってことで、 あのドキドキは、 結構、 邪まな考えによる ものなのかも知れない。 そして、 プレミア好きの私は、 「夏季限定商品」と 銘打たれているグレープフルーツのジュレと、 「大人気」アボカドと シュリンプサンドを手に取り、レジへと並ぶ。 「1983円デス」 青と白のストライプの制服を着た 浅黒い肌の店員が告げる。 細かい小銭を 出そうと財布の中をまさぐり、 ようやく1円玉を3枚発見し、 レジ台に置いた。 「20円。オツリデス」と 告げられて、おつりへと手を伸ばした。 ふと、 オトコの唇が酷く印象的だと感じた。 腫れぼったくて大きなタラコ唇。 あれは確か、どこかで.......
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