kiss 11 [赤ズキンちゃんになりたくて]

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kiss 11 「赤ズキンちゃんになりたくて  ーJUST DO EATー 」 待ち合わせをしたのは、いつもの喫茶店。 いつもの席で、彼はコーヒーを飲みながら私が来るのを待ち構えている。 ただ、いつもと違うのは、私と彼との関係が、 警察官と、事件の目撃証人者という堅苦しいものではないということ。 それと、 今日の私の中身は、何処までも攻撃的だということ。 家からのたった数百メートルの距離が、ものすごく遠く感じました。 その原因は、 レーナの選んだ、「絶対に見せてはならない下着」のせいである。 総レースの赤のブラは殆ど肌が透けているものであったし、 ショーツに関してもパンツスタイルなら、下着のラインが見えずに済むTバック。 だが、 本日のファッションは、タイトなミニの体のラインを余すことなく強調したワンピーススタイル。 気を抜けば即アウト!! 中は、露出狂と肩を並べられる状態である。 すかすかの下着のせいで、心元無いのは当然で、 普段履かないピンヒールのせいで、 足はかくかくと、千鳥足状態。 朝っぱらから酔っ払いのおっさんか? と 突っ込まれそうな勢いだ。 やはり着用すべきではなかったと後悔しても、既に遅し!! 腰の引けた婆さんのような私が、木目の喫茶店の重たいドアを引き開けた。
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