kiss 13 [モトカノ]前半

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kiss 13 [モトカノ] 本日、私、佐藤舞、総務部総務課に、 入り浸っております。 ......というのも、 仕事のプログラムが一部変更となり、 新プログラムの研修が、 総務課主導のもと動いているからであります。 総務課の広々としたオフィスの一角に、 研修スペースを設け、 各部署からやって来た事務職員達が、 変更点をチェックし、 各々の部署の他事務員に伝授する。 その伝達係として、 第二営業部代表として、 私、佐藤 舞。大抜擢されました!! ……て、伝授する人間、 だーれも居ませんけどね.....。 そのため、 今日の電話番は 新人二人(大野・石田)に任せてあった。 ちゃんとした電話応対が出来ているのか 心配しつつも、目の前の講義に集中することにしよう。 午前中で研修は終わり、 各々の部署へと散って行くなか、 「あの、第二営業部の佐藤さん」 と、突然、誰かに声を掛けられた。 振り返ると、 黒髪の女子が笑顔で私に近づいてくる。 「東野さん!!」 彼女の名前を口にすると、朗らかに彼女が笑い、 「研修一緒だったんですね、気付きませんでした」 可憐な花を思わせる笑顔を、東野さんは私へと向けた。 溢れかえる花の香りに一瞬にして包まれ、 釣られて私も笑みを返す。 「東野さんも、チームの代表なの?」 研修を終えて他部署のメンツは殆ど帰ったため、 人が疎らとなった、廊下で立ち話をする。 もともと一人しか居ない私とは異なり、 各部署の代表が集まる研修に 参加をしているということは、 事務プロ集団である総務課統括の、 一人なのだろうか? 「いえ、総務課は、全員研修参加なんです」 「そうなんだぁ。 大変だね。 今日の業務は? 他の人がやってるの?」 「ええ。 各々のチームから数名ずつ参加して、 受講するんです。 総務課の全員が、 新システムの内容を理解してなかったら、 他部署に格好がつかないですし、 事後サポートも出来無いと困りますので...」
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