kiss 15 [アイシテル?]

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でもまあ、ちょっと、永澤さんサイドに助け舟を出してみる。 「一時の気の迷いってやつかも、判断ミス?」 「それはセフレじゃない。一晩だけの過ちでしょ? それは......まだ許せる範囲だけど」 おお、てことは杉田クンと私は、 一晩だけの過ちの関係ってやつか、なーるほど。 「セフレは継続性があるでしょ。 つまりHすることが目的の関係。 そういうの汚いし、ずるいよ。 自分だけ良ければいいっていう、自己中の考え方でしかないじゃない」 汚い.........。 キスフレもモリリンにとってはセフレと一緒だろうな。 汚くて。ずるい。 自分の欲望を満たすための関係。 キスすることが目的の関係。 キスが目的じゃない。 違うんだと、キスフレ議論をするつもりは無い。 彼女に今そんなことを言ったら敵になるだけだ。 キスを通して快楽を味わっているという意味では、 セフレもキスフレもなんら変わらない。 そんな、友達の正直な見解を目の当たりして、 結構.....へこんでます。 「もう絶対許さないから! 一生許さない! 結婚なんかしない!!」 と、興奮気味に叫ぶモリリン。 机をバアンと叩くと、 さすがの杉田君もビビッて、モリリンを脅えた表情で見つめた。 「永澤さんをこの先もずっと責め続けるの? セフレのことは過去なんだよ、終わったことなんだよ....。 今はモリリンを見てる。 過ちを犯したらそこから這い上がれないの? 幸せになっちゃ……いけないの?」 つい興奮して、口が滑ってしまった。 過去の過ち。 それを全て、友人にさえ告げられない私より、 この先を一緒に進みたい相手に告げるほうが、よっぽど勇気がいる行動だ。 それを、永澤さんはしたんだ。 モリリンに自分という人間を判って貰いたくて、 全てを伝えたくて起こした行動。 それは間違ってなんか無い。 私はそう思いたい。
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