kiss 15 [アイシテル?]

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ランチタイムを、お弁当組の総務課美女、東野さんと共にする。 本日のAランチ さばの味噌煮定食です。 煮込まれてねっとりとした味噌に、 鯖の白身を絡めつつ口に次々に放り込んでいく。 んーー。意外にイケル。 甘い味噌の香りを楽しみながら、熱々のご飯を頬張る。 そして小さなお弁当の中から、これまた小さな口に、手作りの卵焼きを運ぶ東野さん。 美人は何をしてもサマになる。 「それで....、小栗に何されたの?」 私の言葉に、東野さんは、 ビクリとして箸を止めた。 しばらく、寂しげに俯いて、また、箸先で白米を抓んだ。 「嫌われちゃったみたいなんです」 そうぼそりと呟いた。 私が給湯室でコーヒーを入れに行く直前。 小栗は、使えなくなったPCの前で、書類のファイルを取り出して読書に励んでいた。 午前の仕事を翌日に無理やり押し込み、 今まで溜め込んでいた我が社の商品マニュアルを、読破することに専念していたはず。 その時間は、 いわゆるKILL TIME(暇つぶし)である。 だが彼は、私を待つ間、小栗に話しかけた東野さんを、完全に無視した。 そして最後に一言。 「悪いけど、話しかけないでくれる?」 ........である。 東野さんは元彼女。 しかも自分が一方的に振った彼女に対して、思いやりの欠片も無い行動と発言。 別れた後は、話しかけても駄目なのかよ。 ちょっとぐらい会話しろよ。 人に気を使うことも出来ないのか?? 小栗 優斗。.........ぶち殺す。
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