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☆☆☆
週末。
見事に焼肉に釣られてやってきた小栗。
やっぱり君を落とすには、食べ物が効果的なんだな。
メモしておこう。
そして揃ったメンツを見て、踵を返そうとする小栗。
またもや脱走か??
だが今日は杉田君が男らしく小栗を引きとめた。
「飯食べるだけだろ? 少しは他のヤツラとも仲良くしろよな」
「お前も佐藤と一緒で、俺をはめようとしてるわけ?」
「嵌める? 何、言ってんの?
今日は俺が皆にいい顔する日なの」
「いい顔って、なんで総務課連中に、いい顔見せなくちゃならないんだよ」
と、トゲトゲの鋭い突っ込みを入れる小栗。
だがココは交渉プロの杉田君、嘘も巧みだ。
「それはさ、佐藤の友人達にも
俺のコト気に入ってもらいたいわけじゃない。
やっぱ女を落とすときは周りから固めないとさ」
先日に引きつづき、恋する青年役を全うする。
「落とすって。付き合ってんだろ?」
訝しげな顔で小栗が杉田を睨んだ。
「更なる進展のために、ちょっとは協力しろって」
一瞬、自分の立場を忘れた杉田くんが、ぼろを出す前にどうにか乗り切った。
「あ....っそ」
目を大きく開けて杉田くんを小栗は見たが、
小栗はというと、すぐさま俯き腕時計を眺め始めた
「7時までね」
「え?」
「この後、デートの約束してるから。
7時まで付き合ってやる」
「デート?」
小栗の発言に、冷や汗をかき始める杉田くん。
「そ、女とデート」
にっこりと微笑んで小栗は、爽やかに答えた。
........そして杉田がダッシュで戻ってきた。
「小栗。女と、デートするって」
顔面蒼白な杉田君。
「え.....、嘘??」
私も真っ青だ。
「さあ...でも...やばいじゃん」
うん。やばい。
こちらが仕掛ける前に、
小栗君、恋愛モードになっちゃったの???
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