kiss 15 [アイシテル?]

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☆☆☆ 「上カルビ5人前あと、ギャラとホルモン、シマチョウもね」 杉田君の財布も確認せずに、どんどん頼む小栗。 そして生にんにくガンガン食べている。 「あのお。デートでは??」 余計な心配をかけてしまう私。 にんにくパワー炸裂でデート? こいつは振られたいのか?? 私の気遣いに臆することなく、 ごま油で揚げたにんにくを口に放り、ワシワシと噛み砕いている。 「ナンカ文句ある?」 いえ...ございません。 この後デートに行く小栗。 という情報を、 店に入る前に取得したことにより、 東野さんは、がくりと肩をおとしている。 そして、 杉田君は、ほぼやけくそ気味に肉を食べる。 微笑を絶やさないのは、春香さんだけだ。 仕方が無い。 杉田と春香さんのラブ大作戦にシフトしよう。 一応、小栗の前では、彼女面して杉田君の隣に居る必要がある。 小栗退散後は、 杉田君には春香さんとの関係を深めてもらえるように 東野さんと一緒に店を出ればいい。 てゆうか……、 小栗のデートの相手って。 いったい誰なのだろう。 仕事人間小栗の食指を動かした女性。 うーん。気になる。 そして、散々飲み食いした小栗は、 「じゃ、ご馳走様」といい、さっさと店を後にした。 東野さんが俯いたまま、私の隣で小さくなっている。 「ごめんね...」 と言ったものの、東野さんはそれに何か言うわけでもなく、 「お先に失礼します!」と店を出ていった。 無理も無い。 焚き付けた責任は、この私にある。 全てが裏目に出ている状態。 ああ......自己嫌悪。 そして東野さんに引き続き、席を立つ春香さん。 「そろそろ私も....」 そこに私がすかさず嘘八百です。 「あ、杉田君、私用事思い出した。 ごめーーん。 悪いけど先に帰る! じゃ!」 といい、無銭飲食犯の如く、ダッシュで店を出た。 そして店から5M離れた物陰に隠れ。 店から出てくるであろう二人を待ち構える。 ここはひとつ、男杉田、頑張って欲しいものである。 ...............。 「おっほん」 ....?
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