kiss 15 [アイシテル?]

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☆☆☆ 彼女の名前を出した途端。 小栗の顔色は急変する。 いつもそうだ。 彼女の名前は、一種のスイッチが小栗の中で入る。 拒否、 拒絶、 完全に心を閉鎖するキーワード。 それが 東野さん、彼女の名前だ。 だから今まで誰からの依頼なのか、はっきりとさせなかった。 彼女を意識すれば、拒絶は更に強まる。 もっと早い段階で小栗は、全てをシャットアウトしただろう。 しかし、手を打たなければ、小栗の気持ちは変わらない。 そして、 東野さんであると気づけば、 彼の中で何かが変わる。 私は其の一筋の光に賭けた。 「東野さんと。彼女とよりを戻してよ」 ラストチャンス。 其のつもりで、私は彼女の名前を出した。 小栗の表情が固まる。 そして俯いて、小さな声で私に尋ねた。 「彼女.....俺とのことなんて言ってんの?」 「モトカノ...でしょ....」 小栗は黙り込む。
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