kiss 15 [アイシテル?]

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「でもって、小栗が振ったってことも聞いた」 「あ、、そ」 小栗は頭を抱えて、私から視線をそらした。 「仕事を理由に、 東野さんを振るなんてさ、ぶっちゃけありえないって」 「何だそれ、そんなの佐藤の基準だろ?」 「でもさ、彼女はまだ小栗のコト好きだよ」 「ふーん」 「ふーんって、何其の反応!」 「知ってる」 え? 「あいつが俺のこと好きなの、知ってる」 散々すっとぼけてきた小栗に、眩暈がした。 知っていながら其のリアクション? そこまで冷血漢の悪魔だとは......。 「知っていたのに、 彼女に対して冷たい態度取ってたんだ。 信じらんない」 「期待させる素振りをするより、ずっとましだと思うけど? 好きじゃないのに好きな振りする、お前のほうがよっぽど信じらんねえよ」 「......それって、杉田君のこと言ってんの?」 つい口を滑らせた。 嘘で塗り固められた関係を、 簡単に引き剥がす台詞を口にしてしまった 。 「.....やっぱな」 確信を得た答えに出会えたことで、小栗の瞳はキラリと光る。 「な.....なにが?」 「あいつのこと好きじゃないんだ」 「そんなこと....ない..デス....」 後ろめたさに、俯く。 小栗の視線から逃げるしかなかった。 自分からボロを出してしまい、訂正のしようがない。 また.....冷酷そのものの瞳で、私を小栗が見つめる。 「引きつった笑顔で笑って何が楽しい? そんなに嫌われたくないか?」 小栗の追求は強まる。 「誰からも愛されて、うわべだけ繕われてればいいのか?」 痛いほどに突き刺さる言葉達。 「私のことは、どうでもいいよ」 つい、逃げ腰になる。 「良くねえよ。良くないから言ってんだろ」 けれど小栗は、喰らい付いて離そうとはしない。
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