kiss 15 [アイシテル?]

8/32

2337人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「はーい!! 今日はキムチ鍋にしてみました~~」 グツグツと蓋を鳴らす鍋を、テーブルに置くモリリン。 「夏なのに.....」 と、私の一言に同意する杉田君だったが、 真夏日に、煮えたぎる鍋が出てこようが、 極寒地で流しそうめんが流れてこようが、 何であったとしても男杉田、 何でも食べますと言わんばかりに皿を掴み箸を鳴らして 鍋に一番手を切って、ダイブした。 「熱ちいい---うめーーー、豚肉最高ー」 おそらく火傷しただろう舌を、 麦茶で冷やしながら杉田くんが、食レポよろしく感想を述べる。 さすが!! 営業の鏡だよ!! 杉田君!!(ヨイショ) そして、モリリンの手料理は花嫁修業のために、 料理研究家の主催する料理教室に通っただけあって、 手際も味も天下一品である。 『男を落とすには、まず胃袋から』を、実践しているモリリン。 そして見事、エリート証券マンを落としたのだ。 其の定説は間違っていないようである。 わたしも 料理教室ぐらい通わなくては、上位3%に入れないだろう。 うん! 来年から、頑張ろう! 「うまーーー! 最高! 料理上手ですね!」 と満面の笑みの杉田くん。 「このサラダもうま!!  お店開けますよ! このレベル!!」 ついでに私の作った、アボカドサラダも褒める。 暫く杉田の絶賛を聞いていたかったのだが、 それよりも先に、 モリリンに永澤さんの元へ戻させることのほうが先決である。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2337人が本棚に入れています
本棚に追加