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「はーい!! 今日はキムチ鍋にしてみました~~」
グツグツと蓋を鳴らす鍋を、テーブルに置くモリリン。
「夏なのに.....」
と、私の一言に同意する杉田君だったが、
真夏日に、煮えたぎる鍋が出てこようが、
極寒地で流しそうめんが流れてこようが、
何であったとしても男杉田、
何でも食べますと言わんばかりに皿を掴み箸を鳴らして
鍋に一番手を切って、ダイブした。
「熱ちいい---うめーーー、豚肉最高ー」
おそらく火傷しただろう舌を、
麦茶で冷やしながら杉田くんが、食レポよろしく感想を述べる。
さすが!! 営業の鏡だよ!! 杉田君!!(ヨイショ)
そして、モリリンの手料理は花嫁修業のために、
料理研究家の主催する料理教室に通っただけあって、
手際も味も天下一品である。
『男を落とすには、まず胃袋から』を、実践しているモリリン。
そして見事、エリート証券マンを落としたのだ。
其の定説は間違っていないようである。
わたしも
料理教室ぐらい通わなくては、上位3%に入れないだろう。
うん! 来年から、頑張ろう!
「うまーーー! 最高! 料理上手ですね!」
と満面の笑みの杉田くん。
「このサラダもうま!!
お店開けますよ! このレベル!!」
ついでに私の作った、アボカドサラダも褒める。
暫く杉田の絶賛を聞いていたかったのだが、
それよりも先に、
モリリンに永澤さんの元へ戻させることのほうが先決である。
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