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「そろそろさ、
家空けて1週間でしょ? 永澤さん心配してない?」
「いいの、ほっとくの。だってレーナとセフレだったんだよ!!」
ぶほーーーと吐いたのは杉田君。
大量の香辛料を気管に送り込んだせいで、むせまくる。
「大丈夫?」と水を差し出す私。
テーブルを冷静に拭いているモリリン。
杉田くんはというと、涙目になりながらも、
「あ...なんとか..」と生きている事を告げた。
その隣でモリリンは、アボカドサラダを口に放りながら、話し続ける。
「しかも、それを隠して私と付き合ったなんて。本当有り得ないんだから」
「でもさ、正直に話してくれたわけじゃない?
永澤さんはモリリンを愛してて、
ちゃんと理解してくれると思ったから、告げたんじゃないかな?」
「理解?
今から結婚して家庭を作るっていうのに、セフレがいたことに理解なんか出来る?」
ウ、ごもっともでございます。
「恋人だったらまだ許せるの。
ちゃんと愛し合っていて、そして別れたんだったらいいの。
でも、セフレって愛情も無く抱き合うだけでしょ?
快楽を楽しむだけの感情の無い、割り切った関係が出来るってことは、
この先も身体の浮気を、するかもしれないじゃない」
........ぐさ。
二言が見つかりません。
私と同じように無言で鍋を突く、杉田君。
君も.......何も言えないですね。
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