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モリリンが、人が来るなら絶対スイカ!!
そう命令された為、
スイカの大玉を抱えて、
えっちらおっちらと、
スーパーからの長い道のりを終えた後
ようやく家に辿り着いた。
「ごっめーーん。スーパーめちゃ混んでて……」
と、スイカをモリリンに渡す。
すると、
玄関口から、リビングにいる小栗の姿が見えた。
「あ.....」
もう来たんだ....。
てか勝手に上がってくつろいでるし!!
お宅はココのご主人様か??
「おっす」
と手を上げる小栗は、普段の見慣れたスーツじゃなくて、
薄手の黒のシングルジャケットにUネックの白のニットと、濃いデニムジーンズという井出達。
ニットの襟ぐりが大きく開いていて、
且つ、体のラインに沿っているからか、
胸板が強調されて、いつも以上に艶めいて見える。
フットサルの時とも、部屋着ともまた違って、
なんか、ちょっと、カッコイイんですけど.....。
ついつい小栗の格好に、鼻血が出そうになり、
玄関に、備え付けられた姿見に映る、もっさりとした私を見た。
「やばい、適当過ぎ....」
それもそのはず、
小栗が来る前に着替えようと思っていた私は、
かなり着倒した、セール品のビックTシャツに、
一昔前に流行った切りっぱなしデザインのデニムスカートという、
もの凄く、適当な格好でスーパーへと買い出しに行ったのだ。
シャツには[kiss me!!]とデカデカとプリントされている文字。
しかも洗濯しすぎで、文字が薄っすらと消えかかっているショボT。
どっから、どうみてもヨレヨレの私と、
後光さえ見える小栗とのギャップに、すでに我が家を退散したくなっている。
うひゃぁ~~恥ずぃ!!
今すぐ脱ぎたい!!
棄ててしまいたい!(自分を)
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