kiss 17 [Moon Crying]前半

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モリリンが、人が来るなら絶対スイカ!! そう命令された為、 スイカの大玉を抱えて、 えっちらおっちらと、 スーパーからの長い道のりを終えた後 ようやく家に辿り着いた。 「ごっめーーん。スーパーめちゃ混んでて……」 と、スイカをモリリンに渡す。 すると、 玄関口から、リビングにいる小栗の姿が見えた。 「あ.....」 もう来たんだ....。 てか勝手に上がってくつろいでるし!! お宅はココのご主人様か?? 「おっす」 と手を上げる小栗は、普段の見慣れたスーツじゃなくて、 薄手の黒のシングルジャケットにUネックの白のニットと、濃いデニムジーンズという井出達。 ニットの襟ぐりが大きく開いていて、 且つ、体のラインに沿っているからか、 胸板が強調されて、いつも以上に艶めいて見える。 フットサルの時とも、部屋着ともまた違って、 なんか、ちょっと、カッコイイんですけど.....。 ついつい小栗の格好に、鼻血が出そうになり、 玄関に、備え付けられた姿見に映る、もっさりとした私を見た。 「やばい、適当過ぎ....」 それもそのはず、 小栗が来る前に着替えようと思っていた私は、 かなり着倒した、セール品のビックTシャツに、 一昔前に流行った切りっぱなしデザインのデニムスカートという、 もの凄く、適当な格好でスーパーへと買い出しに行ったのだ。 シャツには[kiss me!!]とデカデカとプリントされている文字。 しかも洗濯しすぎで、文字が薄っすらと消えかかっているショボT。 どっから、どうみてもヨレヨレの私と、 後光さえ見える小栗とのギャップに、すでに我が家を退散したくなっている。 うひゃぁ~~恥ずぃ!! 今すぐ脱ぎたい!! 棄ててしまいたい!(自分を)
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