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いつか、
私と同じように、小栗の中で私の存在が変わるのなら......。
「なーんかぁ~~、願い事でもしたくなる月夜だね」
ガラにも無く、センチメンタルな発言をするレーナ。
そんなレーナに「どんな月夜?」と突っ込んでみる。
「何かを訴えてる。
あなたは何がしたいの?
今のままで満足なの?
何が欲しいのかって問いかけてるみたい」
「月が?」
「そ、月が」
「もし願いが叶うなら!!
今年いっぱいは、政権交代しないでください!!」
レーナが、大声で、叫んだ。
「なにそれ?」
と、突っ込みを入れると、大真面目な顔でレーナが私をみやる。
「結構、切羽詰ったお願いなんだけど」
「さすがバリキャリ。頼み事は仕事なのね」
「そうよ、仕事しなくちゃエルメス買えなくなっちゃうもの」
頬を膨らませてレーナが言う。
「男に貢いで貰えばいいじゃない」
「経済的自立主義なの。男に頼らないわ」
「ヒュー!! 格好イイ~~」
「じゃあ私も!! カッコイイ!! 彼氏くださーーい!!!」
と思い切り叫んだ。
なんだか、大きな声を出したら、ほんの少しだけスッキリとした。
悶々としている感情を常に抱えていたとしても、
ガス抜きポイントは、結構多くあるのかもしれない。
たまに、肩の力を抜いてみるのも、ありなのかも。
そして遠くから、
「俺の! 彼女になってくださーーーい!!」
と、洒落の利いた返事が返ってきた。
ぶはぁ!! と噴出す私達。
露天風呂で腹を抱えて、笑い転げた。
ねえ、レーナ。
こんな女子会も、またしようね。
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