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露出狂の姉らしい、おふざけなのだが、
「ガータートスって言ってね。
花嫁のガーターベルトを花婿が口を使って外すの。
それでぇ、未婚の男性に投げて、
受け取った人が、次の花婿になるというジンクスがあるんだって」
俺は、自分のベッドに寝転がって雑誌を読みながら、姉の話を聞き流していた。
挙式までの数週間。
姉は実家に戻っていた。
姉は、長年一人暮らしをしていた。
かつて使っていた姉の部屋は、今では荷物置き場と化している。
そのせいで、
姉は自分の居場所が無いためか、日中は殆ど俺の部屋に入り浸っていた。
それも挙式までの我慢なのだが、正直言って、邪魔だ。
一生住むと両親に宣言をして購入したマンションは、
婚約を機に、
旦那が支払いを終えて自分の財産として保持している。
賃貸に出すには、
空き部屋のほうが入るからという
本人の判断で、客付き待ちの状態で、
今直ぐ旦那が、姉を切り捨てたとしても、
姉名義のマンションが手切れ金代わりに残る訳だ。
姉は、そういった抜け目無い行動をする。
だが今回のガータートスだけは、
姉らしくも無い、即、却下案となるだろう。
「ブーケトスの男バージョン?」
「そうね」
「それ、余興でやるの? 結構卑猥じゃない?」
とやる気満々の姉の、プランを否定する。
「駄目かな? 面白いと思うんだけどな」
そういい姉は、ウエディングエステで磨かれた太ももを露にした。
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