kiss19 -笑顔の仮面-前半

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☆ ☆ ☆ 「なに...…、これ?」と言ったのはレーナ。 私も同じく「なに?」である。 其処に映るのは小栗で、 ちょっと照れた表情を浮かべて私を見つめる。 ア、、多分カメラかな。 幾度と無く髪を直した後、小栗は話し始めた。 「あ...テステス~。 えーと、おおっほん、 おっす、佐藤。 オハヨウ、って、夜かも知れないし、昼かも知れないデスし...。 そんなこと、 どっちでもいいけどさ、 お前に、言いたいことがあって、 でも顔見ると、どうしても真面目に話せなくなるし、 佐藤のことだからジョークで飛ばされて終りそうだから、 すげぇ、一方的ですけど ......語って、いいですか?」 緊張しているのか、時折、敬語を混ぜながら小栗は喋った。 「今、佐藤が見てるのは、どれぐらい時間が経った俺なのか、 それは判らないけれど、 唯一、言えるとしたら、 今の俺も変わらずに、佐藤のことを好きだってこと」 「え.......」 小栗が語り続ける。 「この中に在る俺と同様、佐藤のことを想ってて、 いや、今以上に... その.. 大....好きです....」 小栗は恥ずかしそうに笑って、 カメラから、ついと、視線を逸らして俯いた。 髪をくしゃくしゃとして、唇を尖らせて、 ほんの少し小さな溜め息をつく。
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