kiss19 -笑顔の仮面-前半

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赤ん坊の泣き声が、遠くから聞こえていた。 彼とキスをした時の曲が、なっちゃんの病室に流れている。 モリリンが、私の腕を掴んだ。 「伝えてきなよ!! 彼に! 好きって言って来なよ!!」 モリリンは感極まったのか、涙を流していた。 「こんな、こんなに想われてるなんて!  うぅ!!!! うわーーん!!!」 モリリンの号泣を、レーナが胸で受け止める。 私以上にボロボロと涙を零す友人の姿を眺めながら、 記憶の彼方から、答えを出した夜のことを思い出していた。 私は小さく首を横に振る。 「モリリン。私....小栗に、もう気持ち伝えてる」 モリリンが「え?」と呟いた。 ……、想い出した。 あの時、違和感を感じた小栗の言葉。 私、もうずっと前に、 小栗の気持ちに答えてた。
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