2388人が本棚に入れています
本棚に追加
赤ん坊の泣き声が、遠くから聞こえていた。
彼とキスをした時の曲が、なっちゃんの病室に流れている。
モリリンが、私の腕を掴んだ。
「伝えてきなよ!! 彼に! 好きって言って来なよ!!」
モリリンは感極まったのか、涙を流していた。
「こんな、こんなに想われてるなんて!
うぅ!!!! うわーーん!!!」
モリリンの号泣を、レーナが胸で受け止める。
私以上にボロボロと涙を零す友人の姿を眺めながら、
記憶の彼方から、答えを出した夜のことを思い出していた。
私は小さく首を横に振る。
「モリリン。私....小栗に、もう気持ち伝えてる」
モリリンが「え?」と呟いた。
……、想い出した。
あの時、違和感を感じた小栗の言葉。
私、もうずっと前に、
小栗の気持ちに答えてた。
最初のコメントを投稿しよう!