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「昼から合コン?」
「デートするから、引いて」
佐藤は、俺に名刺の束を広げて見せた。
高飛車な女を気取る佐藤が、俺に余裕の笑みを見せている。
こいつは....
ちょっと、モテたと思ったら、直ぐ浮き足立ちやがって......
杉田と朝帰りして、
さっき俺とキスした足で合コン?
なんで.....…、こんな奴好きなんだろ....。
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昼間のシュレッダーの件、
正直なところ、全く俺が悪いとはおもってはいない。
けど、まあ、アイツに謝罪しようと思い、
一人説教を受ける羽目になった佐藤を待った。
それなのに、いっつもアイツの顔を見る度上手く行かない。
”ごめん”の一言も
”好きだ”という気持ちも、
もっと簡単に佐藤に言えたら、俺と佐藤の関係はまた違ったんじゃないかな。
中途半端に優しい佐藤を非難して、
杉田のことを出しにして、
本当は、俺がお前の優しさに
気持ちは四六時中揺れっぱなしなんだ。
俺は、俺が佐藤に抱く本音をぶちまけた。
何度も諦めようと思っては、
何度もこんな恋から逃げ出そうとしたのに、
逃げらん無い。
佐藤が好きで好きで、堪らない。
もう、自分を抑えられないよ。
苦しいんだよ……佐藤。
「杉田君と付き合う」
どうしてそうなんだよ。
何で俺じゃないの?
何でわかんない?
「俺のほうが愛してる」
好きだ、愛してる
俺の気持ちを伝える。
でもアイツは、
「もう止めて!」と叫んで逃げていった。
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