kiss 21 - MoonLight -後半

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---------------- 翌日、 佐藤と顔を合わせることも恐かった。 普通にしようと努力しても、どうにも巧く出来ない。 俺は佐藤に重すぎる告白をした。 そして佐藤は怯えた様子で俺から逃げていった。 ここまでパーフェクトな振られ方は、人生の中で初めての経験である。 完全に俺は、 佐藤の中で彼氏候補から外れた。 そして俺は何処までも凹んでた。 這い上がれるかどうかなんて.... .....もうわかんねぇ。 リスタートは、リセットじゃない。 全ては、過去の上塗りでしかなくて、 もう俺の表面はデコボコとしたクレーター状態だ。 アイツに見せている顔は、 アバタだらけでどんどん汚く醜く変わっている。 佐藤の俺を見つめる、脅えた様な瞳を見る度、 俺と佐藤は、もう違う世界に居る気がした。 「なあ杉田、お前は、佐藤と真面目に付き合うの?」 と俺は杉田に聞いた。 「え?」 「やるだけやって、ポイッてことは無いよな?」 と、念を押す。 「な、何で.....…知ってんの?」 杉田が驚いたように目を開いた。 耳の先まであからめて、「いやあ、まあ、なんつうかさ、流れ、うん、流れでさ」 なんて照れ始めた。 ふーん。 今、思いっきり殺意湧いた。 「つき...あうよ。意外と可愛いしさ。うん。ありだった。うん」 杉田がてれてれな様子で、俺に佐藤の良さを語る。 「お前にあって、俺に無いものってなんだろ.....…」 と、ぼそりと呟く。 杉田が真面目に首をかしげる。 「うーん。俺。謎謎苦手なんだよね.....」 「いーよ」で付き合い始める佐藤。 恋の始まりなんて、 簡単に始まるもんで、杉田の場所に到達さえ出来ない俺は、 「早く別れろ」 と呪いでもかけるしかない。 佐藤の中で、俺は男じゃなくて、 杉田はオトコとしての対象で、 其の差が俺には、いまいち理解出来ない。 杉田にあって、 俺には無いもの。 優しさ? 笑顔? わかんねえ.....。
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