kiss 21 - MoonLight -後半

2/37
前へ
/37ページ
次へ
俺の告白、どれも玉砕。 ラストパンチは、ホモ扱い。 アイツの中での俺は未だに、ただの同僚。 ただの、飲み仲間程度。 けれどめげずに、再チャレンジをする。 「佐藤、飲み行こ」 「いーよ」と、あいつは言って、俺に微笑みかける。 それだけで、気分は舞い上がり、次に、するべき行動など忘れてしまう。 佐藤と一緒に、告白が失敗したあの店へとやってくる。 リベンジしたいという気持ちよりも、 この場所を、苦い想い出だけが溢れる場所にしたくなかった。 出来る事なら、佐藤との隠れ家みたいに、この店には何度も訪れたい。 「あーーやっぱり。このお店の鳥は一味違うね!!」 と、嬉しそうに佐藤が、絶賛する。 其の素直な笑顔を見て、再度この店を訪れて良かったと胸を撫で下ろした。 冷酒が並々と注がれた角枡に口づけし、辛口の酒の滑らかな感触を味わった。 隣で笑う佐藤の横顔にチラリと視線を向け、 この後のアクションについて、再度シュミレーションしてみる。 .... うまくいくはずだ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2304人が本棚に入れています
本棚に追加