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「ごめん......超~~気持ち悪い...」
俺は、店から数メーター離れた場所の電柱を掴み、しゃがみ込んだ。
最悪だ、なに撃沈してんだ俺。
告白どころじゃねえし....…。
「小栗、大丈夫?」
佐藤の腕に捕まって、新橋の駅へと向かう、
足はふらふら、道端に2度、リバース。
其の間、佐藤は俺の背中を擦ってくれてた。
恥ずかしすぎて、
目の前にある新橋駅前に展示されたSLの中にでも、逃げ込みたいぐらいだった。
それでも俺は、果敢に挑む。
俺の身体を重たそうに支える佐藤に向かい、
「佐藤」
「なに?」
「俺と付き合って欲しい」
朦朧とした頭で、ようやく出した告白。
たった短いこれだけの言葉を搾り出すだけで、
胸ははち切れそうなほどに早鐘を打っていた。
「別に、いーけど」
.......
うそ!! まじ!!
やった!!
嬉しさのあまり、キスしようとしたら、ー
佐藤に思いっきり手で拒まれた。
「ごめん、今の状態で、キス無理!」
苦い顔をして拒否られ、
ものすごーーく、へこむ。
リバースした俺を拒否った調子に落ち込んだが、
彼氏確定を貰い、思わずにやける。
佐藤の気持ちを振り向かせるのは、付き合ってからでもいいだろう。
時間をじっくりかけて、心の中を開く。
其の瞳が、俺だけを見つめ、
「小栗が、好き」と呟く日を夢見て、心が弾み始めた。
「じゃあ、どっか、ホテルでも取ろうか?」
......…へ?
「こんな状態じゃ家に帰れないもんね、仕方ないから付き合ってあげるよ」
違うだろ!!!! 馬鹿、!!
お前は、どんだけ、鈍いんだよ!!
「嫌、そういう意味じゃなくって、俺と佐藤が付き合うっていうのはさ……」
「平気そう? 大丈夫ならタクシー呼ぶけど」
「……いや、もう一歩も歩けない」
正直に、告白します。欲に目が眩みました。
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