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「エー、
僭越ながら新婦の友人であります。
私、佐藤 舞が、
新郎、永澤 隼人氏、
新婦、森元 凜さんの本日の門出を祝う
結婚披露宴、司会進行を勤めさせていただきます!!」
半ばヤケクソ気味に始めた司会の言葉。
「大変、長らくお待たせ致しました。
新郎、新婦の入場です!!」
1年がかりで編み上げた総レースのベールを靡かせて、
自作のウエディングドレスを着た、
モリリンと永澤さんが披露宴会場へと入場してきた。
今日を迎えるまでにモリリンは、
ウエディングドレスを作る講座を受講し、
キャンドルアートを学び、
ウエディングケーキを製作するノウハウを
エンパイアホテルのパティシエのもとで1年間修行した。
さらには、ホテル選びに、1年以上の月日を費やし、
最高の日取りを占い師に尋ね、
肉体改造のジムへ通う日々を送り、
そしてようやく今日を迎えたのだ。
本日は、モリリンの努力の結晶の集大成披露会である。
絶対に失敗は許されないのだ。
だが司会など、なまじ素人がやるものではない。
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