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「……俺は外見がこんなだから、ゴメンね?私、面食いだからって言われて。でも、そんなにすぐ気持ちを捨てきれなくて」
…俯いて、吐き出すように身を切るような切ない思いで、言葉を紡ぐ…。
コレが俺の大切に大切に育てていた思いの結末。
人生は、物語のようにはいかないと悟った瞬間だった。
…そう言った俺に、その人は少し考えてこう言った。
「……分かった。じゃあ、もう一回告白しよう」
「え?」
あり得ない…。
……驚いて固まる俺を無視して、その人は話を続ける。
「……あなた自分が言うほど悪くないよ。私が協力する」
……そう言って。にっこりと笑んだその人は、本当に綺麗だった。
「協力、って一体何を?」
…どうしよう、何をする気なんだろ?この人。
不安に瞳が揺れる。
「見かけで印象をガラリと変えるのよ。……名付けて、逆シンデレラ作戦。必ずその女をギャフンと言わせてやる」
(…止めさせなきゃ)
……正直、その時の俺の頭の中にはソレしかなかった。
「えっと、俺は別にその子にギャフンと言わせたい訳じゃ…」
…なるべく、ソフトに伝えようとした俺の言葉をまたもやその人の声が遮る。
「…いいから。一人より、二人で考えた方が絶対いいよ。やらないで終わるよりマシでしょ?」
…そう言った、その人に゛逆らったら怖そう゛とゆう理由だけで、しばらく逡巡していた俺は俯いて頷いてしまった。
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