49人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ、はぁ、はぁ…っつ」
昔から、繰り返し見る夢。
…杭に打たれ、炎に包まれて…
いつも息苦しさで、目を覚ました。
背中も額も汗だくで、感情もやけにリアルで。
…昔、ジャンヌダルクの映画を見たのがきっかけだったと思う。
最初は、彼女への憧れからくるモノだと思っていた。
けれど、こう何年も続くと、私の憧れも大したものだ。
「赤いチューリップの花言葉かぁ…」
…目が覚めた時には、いつもその花言葉だけ霧がかかったみたいに思い出せない。
…私は起き上がるとお風呂場に向かった。シャワーを浴びて、制服に袖を通す。
夢の中の彼女は、最後までそのお客様の幸せを願ってた。
…だから、私も誰かの幸せの為に生きたい。
繰り返し夢を見るうちに彼女と自分を重ねている自分に気付く。
…お花で幸せを配っていた彼女のように…
私は私の出来る事をしたい。
…そう願いながら、ケータイを開いた。
最初のコメントを投稿しよう!