夢と現実の狭間の答え。

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『おはよー。風邪、大丈夫だった? 最初の日の待ち合わせした喫茶店で、放課後に待ってるね?』 メール送信。 天気は、快晴。 鞄に沢山のノートと教科書を詰めこんで、トーストをかじる。 …ほんのり溶け出した、バターが香った。 「ん、おいしい」 …サラダを食べて牛乳を飲みきると歯を磨いて、あとは寝癖との格闘だ。 寝癖直しを吹きかけて、クシで丁寧に直している横でケータイが光って手に取る。   『了解しました。風邪は実範さんのカーデガンのおかげで大丈夫です。実範さんの方こそ、俺にカーデガン貸しちゃって、大丈夫でしたか? 』 …開いて内容を確認して、微笑む。 ゆずる君らしい文章に、心が落ち着いて行くのを感じた。 …あの夢を見た後なのに。 『…丈夫にできてるから平気だよ。傘、今日返すね?』 …打ったメールをゆずる君に送信して、カバンに傘を詰めると家を出た。  
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